2012/08/31

補強というよりは、、

 古屋の構造補強工事というよりは、古い建物の中に新しい構造体を挿入したと表現した方が適切かもしれない。
不要な(不完全な)構造は取り除く。この北面がそうである。
南面はややましだ、またその意味もあるので縁側を外部の軒下空間として活かす事にした。そしていよいよ屋根工事である。ボロを取り払い新しい屋根構造をのせる。
確かに、ここまでやるのであればゼロから建物を建設した方が合理的と言う人の意見も分らないではない。
私も当初、決断はしたもののその決断が正しかったのか自信が持てないでいた。しかしこの数日の工事でその決断が間違いではなかったと確信出来るようになった。
かつての土間空間にダイナミックな小屋梁が現われた。
屋根工事に取りかかった我が大工たち。ベテランと若手の組み合わせがなかなかいい。
若き3代目の勇姿。
 
 
 

2012/08/27

構造補強

 柱梁の構造補強が一気に進んだ。これは北面だがもはや元の柱などほとんど見当たらない。
 西面は屋根付テラスを通して竹林、樹林に面するため大きな開口がありその周辺は4寸柱が3本追加されている。壁面になるところにはしっかりと壁補強がされた。テラス奥の2本の斜材は仮筋交いでいずれなくなる。
北東隅にはもはや当初の不完全な構造材は見当たらない。旧厩スペースも高い天井高が確保できた。
補強の方法は様々だ。これなど交差梁の段差を利用している。棟梁のスズキが差配。
当初柱の床梁の欠き込みなどの欠損部分は埋木の上半柱を抱かせたりしている。
 西面屋根付テラス唯一の1間幅の壁にも土台と交差筋交いが入った
ベタ基礎の工事から始まった構造補強工事も柱梁についてはほぼ見通しが立った。残りの東面が終われば、次はいよいよ屋根工事である。
青空に映えるこの見慣れたブルーシートの景色もやがて見納めとなる。今更だが「ビフォー・アフター」に申し込んでおけば良かった?かな、、

2012/08/22

大工が帰ってきた



見本寺(ケンポンジ)の修復を終えてスズキたちが戻ってきた。
すかすかだった古材の間を埋めるように白木の架構が挿入されていく。 
土台、柱 のすべてが檜の4寸角である。間柱も4寸。奥にこの春イベントで上棟したC棟ガレージが見える。
まだ手つかずの部分と比べるとその差は歴然としている。これは北側の構面で、土台がちょうど敷き込まれたところ。当初スズキは壊して作り直した方が早いんじゃないかと言っていた。確かにそうかもしれない。が、すべてを新しくするのではここを買った意味がないとその時私は思った。
スケルトンになって始めて私は彼の云っている意味を理解した。それほどこの家の出来が悪るかったのだ。今彼は「壊した方が良かったとは云わないでくれ、私がそれを言えば皆がっかりしてしまうので」と云う。全部壊すのは機械でやるから簡単だが、再生となるとそうは行かない。すべて手仕事でここまでが大変なのだ。
基礎や構造も新しくなり、屋根や外壁、内装や設備も新しくなる。つまり大半が刷新され、面影が残るのはこの妻の土壁(漆喰で仕上げる)くらいである。また元土間の梁架構が現わしとなり残る。そこでこれまでの苦労が報われる筈である。「なに、大丈夫さ」大工が戻って来てやっとそう思えるようになってきた。
 
これは 彼らの仕事、見本寺修復のディテールだ。肘木、欄間の龍の彫り物が無事だったことは幸いであった。
これに比べれば私の建物など可愛いものかもしれないのだが、、、

2012/08/17

ドア金物



これはシンプソンのドアに丁番を取り付けるための作業風景。グリーンのベルトはドア取り回しのための荷造り用のベルト。ドアは作業台にクランプで固定している。座彫りをするためである。 
 この丁番、板厚が3.5mmある。その分がちょうど彫り込まれている。こうすることで見栄えだけでなく、ドアがその重量で枠からずれ下がるリスクが減る。
 この作業のため(もちろんこれだけに限らないが)ボッシュのトリマーを購入した。同時に治具を作り丁番と同寸の座堀りが可能になった。

 これは取っ手。ドアそのものが無垢で厚くペアガラスが入っていることもあり結構重たい。金物もそれに合わせ重量級。
 合間の工房の片付け・改装。エスロン波板に立てかけてあった木材を片付け
 開かずの扉を開け、大量の端材はとりあえず軽トラの荷台に放り込んだ。
h=1800まで下地をつくり、断熱材を入れプラスターボードを貼る。
壁が完成した。そのうちその上の部分は3間の横連窓にしようと思う。時はすでに夕刻となり、外は暗くなってきた。
開かずの扉が開閉出来るようになった。この結果何より良かったのは風通しがよくなったことだ。田の上を渡って来た風が工房を通り抜けて行く。
気持ちいい。

2012/08/08

南部の曲屋

花巻から遠野へ向かう途中の寒村にそれは美しい曲り屋が保存されていた。300年ほど前に造られたこの形式発生当時のものらしい。本当に日本の民家はこんなにも美しかったのだろうか、完璧な美がそこにある。さて現代、その美はどこに行ってしまったのか。民家を守るおばあさん2人(老人会のボランティアだそうだ)がお茶を馳走してくれた。夏だというのに囲炉裏に火が入り鉄瓶が掛けられている。不思議と暑くない。
土間には小鳥の巣箱が置かれていて1000円と手書きの札が添えられていた。土産に買って帰り早速工房の通路脇の柿の木の枝に取り付けた。 
昨年強剪定した枝の出っ張りがちょうどいい台座となり、通路のちょっとしたアクセントになった。小鳥に取っちゃ目立ちすぎのマイホームかもしれないが、、
東北旅行の後、久々のゴルフ。南アルプスに夏雲、相変わらず北の杜CCの緑は美しい。
ただしスコアはメロメロ。


2012/08/07

今年のひまわり

今年もひまわりの季節がやって来た。八ヶ岳を背景にしたひまわり畑。
夏雲とひまわり、少しうなだれている。
 
ひまわりは明野の観光資源である。したがって日中は大勢の観光客が押し寄せ、この茅ヶ岳広域農道は他府県ナンバーの車で一杯になる。その混雑を避け私は早朝ここを訪れる。やはりその年の花の様子が気になるのである。今年は梅雨明け以降猛暑で雨が少なかったせいかややくたびれていたが頑張っている模様、よしよし。この日の翌日ご褒美のスコールがあった。
今頃、さぞ喜んでいるだろう。

モックアップ/玄関ドア

 玄関ドア+枠材のモックアップを作った。
 シンプソンの木製ドア及び枠材をパーツで購入した。丁番を彫り込み、ウェザーストリップを取り付け枠とドアのクリアランス確認のためだ。そうしないと枠のタテヨコ寸法を決められない。やや原寸図との誤差はあったがほぼ計画通り。
シンプソンのパーツには沓擦りがない。そこで栗とアルミで拵えた。栗はすばらしい。腐らず虫も付きにくくしかも燃えにくい。風雪に耐えた古民家の大半は土や風雨に晒される部分に使っている。内開きでエアタイトにするためL型ラバーとアルミ材でウェザーストリップを構成。外側にテーパーを付け角の部分にはアルミ丸鋼を埋め込み対摩耗性に配慮したノンスリップとしている。
タテ枠にくつ擦づりを取り付け
 四方枠完成
ドアをはめてみる。ピッタリ、すばらしい、いいじゃないか。自画自賛。
色はテーマカラー「スカンジナビアレッド」予定